絵ハガキの年代判定法

今度は、年上の淑女がちかづいてきた。彼女も有名大学の先生である。彼女は、絵ハガキの年代を特定することについて、質問された。絵ハガキにくわしい人ならご存知の情報で、わたしもくわしいかたにおしえていただいたから、それを説明する。

わたしのみているのは絵の部分だが、年代は、宛名の面からある程度わかる。宛名と通信文を区切る位置。通信文と住所を区切る線が三分の一に引かれているか二分の一かである。前者なら、明治四十年(一九〇七)から大正七年(一九一八)二月まで。後者なら大正七年三月以降である。ただし例外もあって、三分の一なのに大正七年以降の場合もあるので、注意しなければならない。でもそのぎゃく、つまり二分の一なのに大正七年以前ということはない。

質問してくださったので、おおよろこびで説明した。すると、説明の途中から、淑女先生の表情はどんよりしはじめた。説明が終わると、

「私は、そういうことに興味ないから」

と言って、去って行った。

「わたしは菊人形バンザイ研究者」 川井ゆう著 新宿書房 2012 より

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