ofellabuta

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    コアマガジン社で雑誌「BUBUKA」を立ち上げ、2024年に孤独死した編集者寺島知裕を、かつて彼の部下として働いていた作家の樋口毅宏が自身の経験と関係者からのヒアリングからその実像に迫るノンフィクション。

    本の最後で著者もゲラを読んだ編集者に言われたと書いているけれど、寺島知裕という人物、帯の惹句にあるような「モラハラの権化」「サディストの化身」「セクハラ鬼畜」と言われる程の人物には思えない。悪人ではないが良いところが一つもないただひたすらに厭な奴という感じで、身近にいると本当に嫌だが人的魅力が皆無のためノンフィクションの主役としては正直弱いなと思った。 むしろ、彼の周辺の人物、部下で「裏BUBUKA」の編集長であった岡崎雅史や「実話マッドマックス」編集長の片山恵悟、カメラマンの佐々木敦や四谷新、今では有名人のケロッピー前田や村田らむらのエピソードの方が何倍も面白い。特に岡崎雅史についてはちゃんとした評伝を読んでみたい。

    寺島知裕という人物のしょうもなさはともかく、90年代のコアマガジン社の内情を描いた本として面白かった。

    プロローグにかえて

    第一章 高田馬場のビニ本屋
    第二章 「うちの妻を輪姦して下さい」
    第三章 『BUBKA』創刊
    第四章 トップ・オブ・ザ・ワールド
    第五章 長い発狂
    第六章 宴のあと
    第七章 聖地巡礼
    エピローグ

    主な参考文献
    解説 弁護士T
    樋口毅宏作品リスト&プロフィール