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  • 娯楽としての怪異・妖怪

    小松和彦監修の「怪異・妖怪学コレクション」の一冊。大衆文化として消費される怪異・妖怪をテーマとしてアンソロジー。このシリーズ買って読むまでアンソロジーとは知らんかった。

    中身はまぁ2000年代における怪異・妖怪論の傑作選みたいな感じだから、当然どれも読み応え十分の内容。特に京極夏彦の「通俗的『妖怪』概念の成立に関する一考察」は小説家だけあって近代以降の「妖怪」という概念について巧く読みやすくまとめてあって良かった。

    総論 娯楽としての怪異・妖怪(香川雅信)

    【Ⅰ 娯楽と妖怪】
     化物屋敷の誕生(橋爪紳也)
     遊びの中の妖怪たち――近世後期における妖怪観の転換(香川雅信)

    【Ⅱ 江戸の化物文化】
     素人の演出する怪談芸――江戸時代の「妖怪手品」について(横山泰子)
     豆腐小僧の系譜――黄表紙を中心に(アダム・カバット)
     化物と遊ぶ――「なんけんけれども化物双六」(岩城紀子)
     春画・妖怪画・江戸の考証学――〈怪なるもの〉の視覚化をめぐって(鈴木堅弘)
     「妖怪」をいかに描くか――鳥山石燕の方法(近藤瑞木)

    【Ⅲ 現代大衆文化と妖怪】
     通俗的「妖怪」概念の成立に関する一考察(京極夏彦)
     「見世物」から「映画」へ――新東宝の怪猫映画(志村三代子)
     一九七〇年代の「妖怪革命」――水木しげる『妖怪なんでも入門』(清水潤)
     鎌鼬存疑――「カマイタチ現象」真空説の受容と展開(飯倉義之)
     ライトノベル異世界転生物における異世界の生成――モンスターの和洋混淆状態を手がかりに(伊藤慎吾)

    解題(香川雅信)

    順番 タイトル 著者 説明 ページ数
    1 化物屋敷の誕生 橋爪紳也
    2 遊びの中の妖怪たち — 近世後期における妖怪観の転換 香川雅信
    3 素人の演出する怪談芸 — 江戸時代の「妖怪手品」について 横山泰子
    4 豆腐小僧の系譜 — 黄表紙を中心に アダム・カバット
    5 化物と遊ぶ — 「なんけんけれども化物双六」 岩城紀子
    6 春画・妖怪画・江戸の考証学 — 〈怪なるもの〉の視覚化をめぐって 鈴木堅弘
    7 「妖怪」をいかに描くか — 鳥山石燕の方法 近藤瑞木
    8 通俗的「妖怪」概念の成立に関する一考察 京極夏彦
    9 「見世物」から「映画」へ — 新東宝の怪猫映画 志村三代子
    10 一九七〇年代の「妖怪革命」— 水木しげる「妖怪なんでも入門」 清水潤
    11 鎌鼬存疑 —「カマイチタチ現象」真空説の受容と展開 飯倉義之
    12 ライトノベル異世界転生物における異世界の生成 — モンスターの和洋混淆状態を手がかりに 伊藤慎吾