Note:
Kindle Unlimited で読む。
比嘉姉妹シリーズの短編集。
収録作の中では、「などらきの首」収録の短編「学校は死の匂い」に登場した比嘉美晴唯一の友達である古市俊介が主人公の「赤い学生服の女子」が良かった。交通事故で入院した古市が入院先の病院で赤い学生服の女子の怪異に巻き込まれるという内容。現実と非現実の曖昧な感じ、比嘉美晴の今までとは違う一面が知れるのも良い。
表題作の「ぜんしゅの跫」は姿の見えない通り魔事件を追う比嘉姉妹と野崎の話で、物語自体は割とヒネりのないストレートな妖怪退治モノ。その能力ゆえに力押しで何とかしようとする琴子に対して、非力ゆえによく見、よく考える真琴が勝利するわけだが、琴子が今のところ大した活躍の場面がないままってのも気になる。琴子が無双するようなエピソードも読んでみたいものだ。