「フキダシ論」に続く細馬宏通によるマンガ評論の2冊目。
今回はマンガと音のついて。
面白いのは取り上げている作品が「BECK」とか「四月は君の嘘」や「ぼっち・ざ・ろっく!」「ふつうの軽音部」といった所謂音楽漫画ではなく、高野文子の「奥村さんのお茄子」や「はだしのゲン」や赤塚不二夫らの作中に引用された音楽、あるいは「ちいかわ」やヤマシタトモコ、市川春子、江口寿史ならの作品のコマやフキダシの並びから読み取る音楽的なテンポやリズムといったもに着目している点。
前作の「フキダシ論」もそうだったけど、細馬宏通の漫画の話って評論というより、コマやフキダシ、セリフとそれらの関係や作用を丁寧に読み解くことで漫画ってもっと面白く読むことができるという指南書のような感じがする。
