Note:
斎藤昌三の評伝。その情報量に圧倒される、なにせ参考文献一覧だけで30頁を超えてる・・・「いもづる」や書物展望社時代以外の地元茅ヶ崎での活動など、斎藤昌三のほぼ全仕事と交友を丹念に追った力作。
ただ、床が沈むほどの本を所蔵していた斎藤昌三が、どこでどのように本を蒐集していたのかなど、「書痴」斎藤昌三の人となりを知ることができるような記述が殆どないのが残念。検証可能な事実に重きをおいた内容ゆえだろうが。
昌三が死ぬ前、蒲団の中で起き上がることもできない昌三に妻が来客の持参した本を手に「お父さん珍本、珍本、珍本ですよ」と問いかけるエピソードとかとても良いだけに、もう少しそういうエピソードがあればなぁと・・・
