ofellabuta

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  • 斎藤昌三 書痴の肖像

    斎藤昌三の評伝。その情報量に圧倒される、なにせ参考文献一覧だけで30頁を超えてる・・・「いもづる」や書物展望社時代以外の地元茅ヶ崎での活動など、斎藤昌三のほぼ全仕事と交友を丹念に追った力作。

    ただ、床が沈むほどの本を所蔵していた斎藤昌三が、どこでどのように本を蒐集していたのかなど、「書痴」斎藤昌三の人となりを知ることができるような記述が殆どないのが残念。検証可能な事実に重きをおいた内容ゆえだろうが。

    昌三が死ぬ前、蒲団の中で起き上がることもできない昌三に妻が来客の持参した本を手に「お父さん珍本、珍本、珍本ですよ」と問いかけるエピソードとかとても良いだけに、もう少しそういうエピソードがあればなぁと・・・

    第1章 座間に生まれる
    第2章 『おいら』・我楽他宗・蔵票会
    第3章 性神探訪と坪井正五郎の見えない糸
    第4章 いもづる仲間と「芋蔓草紙」
    第5章 『愛書趣味』と花園歌子の謎
    第6章 梅原北明のエロ・グロ出版
    第7章 内田魯庵所蔵の芭蕉像
    第8章 吉野作造の明治文化研究会への参加
    第9章 書物展望社での苦楽の日々
    第10章 円本ブームと斎藤茂吉
    第11章 『墨東奇譚』をめぐる荷風との対立
    第12章 茅ヶ崎の郷土史家
    第13章 『書痴往来』と書痴の晩年