はじめに――本書を手にした探索者へ:怪異という視点を武器にする 永島大輝
第1部 いまを調べる――リアル篇
第1章 民俗学的なフィールドワークで怪異を探す 飯倉義之原案・構成、永島大輝/廣田龍平/山川志典
1 どこに行くか、何を聞くか
2 何が必要か――資料を集める
3 何が必要か――持ち物の準備
4 誰に聞くか、どう歩くか
5 どうやって聞くか
6 どう記録するか
第2章 自治体で調べる怪異怪談――博物館、図書館、自治体史、文化遺産を手がかりに 山川志典
1 博物館を訪ねてみよう
2 図書館で郷土資料を調べてみよう
3 自治体史を読み解いてみよう
4 文化遺産をヒントに探る
5 行政職員に尋ねる際に
コラム 読む・歩く・聞く――おしめ洗いの幽霊・河童の薬から 式水下流
第3章 僕の小規模な実践――民俗学的フィールドワークの具体的な話 永島大輝
1 調査地に行く前に
2 調査項目を知る
3 年中行事は再現できるくらい丹念に
4 俗信は聞きやすい
5 調査地では歩いたほうがいい
6 受け入れてもらおう
7 ノートに書く、録音する、写真を撮る
8 民俗語彙はカタカナで書く
9 話はゆるやかにつながっていく
10 成果を上げられなくてもかまいません
11 地域の決め方・きっかけをつかむ
12 前の話に戻って再度話を確認する
13 考え続けると、資料が集まってくる
14 相手を否定しない、自分の知識を披露しない、現代も新たなフォークロアが生まれている
15 発表・報告をしよう
コラム いま幽霊の話を聞く 三浦理沙
第2部 いまを調べる――バーチャル篇
第4章 現代日本文学における恐怖の想像力/創造力を研究する 小松史生子
1 家怪談の流行を確認する
2 怪異の発端・発動・契機のキーワードを抽出する
3 〈何が怖いのか?〉――恐怖の核とパターンをつかむ
4 先行研究を水先案内人として――ミサキの民間信仰
5 比較文学の視点の導入――魔犬の街道
第5章 「サブカル」のなかに怪異を探す 乾 英治郎
1 漫画のなかの〈怪異〉を探す・調べる
2 漫画のなかの怪異表象を論じる
第6章 心霊スポットはどこにあるのか――ネットで怪異を探るためのいくつかのヒント 伊藤慈晃
1 「Google Trends」で予備調査
2 心霊スポットを調べる
3 心霊スポットの概要
4 心霊スポットの「いわく」を可視化する
第3部 ちょっと昔を調べる――明治・大正・昭和・平成前期篇
第7章 ホラー雑誌の読者投稿欄に「学校の怪談」を探す 廣田龍平
1 ホラー雑誌のリストを作る
2 現物を探す
3 雑誌投稿欄を探す
第8章 検索しにくい怪異・妖怪の探し方 笹方政紀
1 辞・事典を調べる
2 電子資料の検索
3 新聞記事を調べる
4 周辺を調べる
5 投稿者に聞く
6 人とのつながり
第9章 小説はどこで読んでも同じもの?――変転する泉鏡花の本文をたどる 鈴木 彩
1 作品分析と本文校異
2 初出・初刊・全集を調べる
3 異同を確認する
4 作品分析をする
コラム 越後三条南郷後日談 伊藤慎吾
第4部 結構昔を調べる――江戸期篇
第10章 モクリコクリはどこにいる?――前近代資料の調べ方 今井秀和
1 素朴な疑問からのスタート
2 〈モクリコクリ〉とは
3 紙媒体資料から調べる
4 インターネットから調べる
5 集めた情報を整理する
第11章 検索以前、目録以前 伊藤龍平
1 柳田山人論の追体験――目録なき時代の資料探し
2 松尾芭蕉の怪談――資料は通読して集める
3 呪句を探せ――資料の分類と整理
4 本草説話の世界――芋づる式調査法とサブテーマの設定
コラム 古典芸能は怪談の宝庫――落語の怪談探索 横山泰子
付録 とりあえずの質問項目 飯倉義之/永島大輝/廣田龍平/山川志典
怪異怪談探索ブックガイド 永島大輝/廣田龍平/山川志典
おわりに――探索を続けやすくするために 永島大輝
索引