ofellabuta

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  • 本と校正

    岩波書店をへて中央公論社で編集、校正を勤めた著者による書物の校正に関するエッセイ。2025年に中公文庫で増補新版が出ているが読んだのは旧版となる中公新書版。

    1965年の本なので、当時主流だった活版印刷に関わるあれこれ(活字に関する話など)は現在では昔話となってしまっているが、昔話は昔話として今読んでもなかなか興味深い話が多いし、用字や送り仮名、誤用や校閲的な部分の内容は現在でも十分に通じる内容。

    校正歴三十余年

    校正とその周辺
     誤植の恐ろしさ
     校正とは何か
     無誤植ということ
     校正者の役割
     著者校正
     校正者の疑問
     著者からの苦情
     校正者の心得より良い校正のために

    校正十話
     落丁・乱丁・誤植
     <常識的>校正をめぐって
     鷗外、校正子を叱る正誤表に追いかけられる
     けがの功名
     統一と多様
     文は人なり、
     出張校正
     「不敬罪」?
     検閲について

    校正の技術
     難字難語はまだ生きている
     入社試験問題

    国語の生態
     日常使用する日本語の数/漢字の使用度数

    活字ケースの前に立って
     活字ケースの種類

    活字の知識
     ポイント活字の大きさ/ポイント活字と号活字の関係/活字の書体

    記号の種類
     記号の役割/記号の種類

    校正の進め方
     校正記号/指定と割付/初校と単独校正・読み合せ校正/専校と赤字引き合せ/素読みと責任校了

    調整の仕方
     行末行頭における句読点の処理/行末行頭におけるカギ類の処理/ルビについて

    誤植を誘導するもの
     誤りやすい漢字/誤りやすい熟語

    かなと漢字

    あとがき

    付録校正練習問題と解答