Note:
2011年から2016年にかけて「月刊ジェイ・ノベル」に掲載した短編を集めた短編集。(「猫丸先輩の出張」のみ単行本書き下ろし)
「変奏曲・ABCの殺人」
借金苦の男が遺産目当てに弟をたまたま発生していた通り魔事件を見立て連続殺人事件にでっちあげて殺そうとするが・・・という話。
皮肉なオチを含めてミステリというよりショートショート的な味わい。
「社内偏愛」
車内の人事を握るAIシステムに気に入られて依怙贔屓される男の悲劇を描いたもの。
これも星新一にありそう。
「薬味と甘味の殺人現場」
口にネギを突っ込まれ、周りにケーキを飾られ殺された女性の事件に纏わる話。
犯人の意外な動機がミソだが、意外とこういうケースはありそうな気もする。
「夜を見る猫」
祖母の家に泊まりにきた少女が夜中に飼い猫がどこかを一心に見つめているのを見つけることから始まるミステリ。
収録先の中では一番ミステリっぽい作品。
「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件」
第2次大戦中、秘密兵器の開発を行う研究所で発生した、豆腐の角に頭をぶつけて死んだとかしか思えない殺人事件の話。
バカミス?大戦中の描写の解像度が低くてコントのよう。
「猫丸先輩の出張」
猫丸先輩シリーズ
ミステリとしては凡作。
全体的に可も無く不可も無しという感じ。
