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  • 方言萌え!? ヴァーチャル方言を読み解く

    関西人でもないのに「なんでやねん!」とつっこんだりといった、話者の生まれや育ちに関係なく感情表現のツールとして利用される「方言」を「ヴァーチャル方言」と定義し、「ヴァーチャル方言」に広がりや使われ方、本来の方言とのドラマなどのメディアとの関わり、そして「ヴァーチャル方言」の背後にある方言の持つステレオタイプとしてのイメージなど、新たな方言としての「ヴァーチャル方言」の諸相について読み解いていく本。

    岩波ジュニア文庫ということで、子供でも判るように平易な文章で書かれてはいるが、内容はしっかりしていて大人が読んでも十分に読み応えのある内容。メディアやサブカルチャー的に消費される「方言」について考える上でのとっかかりとして読むには良い本。

    はじめにーヴァーチャル方言って何だろう?
     「方言」はコンプレックスから価値あるものへ
     「リアル方言」と「ヴアーチャル方言」
     「土地」から解き放たれるヴァーチャル方言
     首都圏人の残念感
     リアルもヴァーチャルの往還
     ヴァーチャル方言研究の意義

    1章 そもそも「方言」って何だろう?
     「方言」の価値をたどる意義とその方法
     「方言」とは何か?
     「方言」と「標準語」「共通語」
     日本語の方言はいくつあるのか?

    2章 「方言」がカワイイに至るまで
     「標準語政策」と「方言」ー明治期から戦前まで
     高度経済成長期と「方言コンプレックス」
     ゆらぐ中央集権・東京一極集中的発想
     「方言プレスティージ」の時代の幕開けー「地方の時代」「個性の時代」へ

    3章 「方言」に価値を見出す時代
     飛躍的に高まる「方言」への関心
     「方言」活用の多様化と「沖縄方言」への注目 - 九〇年代から二〇〇〇年代
     「方言萌え」の時代 - 二〇〇〇年代から二〇一〇年代
     「危機言語」としての「方言」
     「方言」疲れ?

    4章 「方言」と「打ちことば」は相性がいい!  キブンを盛り込む手段としての「方言」
     話すように打ちたい!の夜明け前
     ネット時代における「打ちことば」と「方言」
     土地との結びつきから解き放たれた「方言」の登場と定着

    5章 「打ちことば」における「方言」の使われ方  ブログ調査の方法
     ブログの「方言」の属性差は必ずしもリアルを反映しない
     三つの用法の具体例とその特徴

    6章 ヴァーチャル方言と方言ステレオタイプ  二つの全国意識調査から見る「方言ステレオタイプ」
     「関西」「東北」「九州」はイメージとの結びつきが強い
     露出度の高い「方言」は「方言ステレオタイプ」が強い

    7章 テレビドラマとヴァーチャル方言  方言ステレオタイプはテレビドラマで作られる
     NHKの朝ドラと大河ドラマの影響力は絶大
     朝ドラと大河ドラマで「方言」はどう使われたのか

    8章ドラマにみる「方言」の変遷  かつては龍馬も共通語キャラだった
     「脱方言」「なんちゃって方言」から「本格方言」「方言コスプレ」へ
     「方言指導」と「ドラマ方言」
     「沖縄方言ドラマ」の水準を変えた『ちゅうさん』
     「方言指導」の細分化と「リアルさ追求方言ドラマ」
     龍馬型方言ヒロインと「方言コスプレドラマ」の登場
     テレビドラマは、リアルとヴァーチャルの往還装置

    9章 リアルとヴァーチャルの往還が開く新しい扉
     「方言ステレオタイプ」が内包する問題
     新しい「九州弁マンガ」の登場とその背景
     リアル方言の変化がヴァーチャル方言を変える
     ヴァーチャル方言がリアルを変える
     新しい扉は常に開かれる

    おわりに…
     もう少し詳しく知りたい人のために
     先行研究から引用した本文中の図表の出典一覧
     付表1・2