Note:
日露戦争中の1904年、単身満州に渡り土工として働きはじめ、一代で土建会社榊谷組を立ち上げ満州土木建築業協会の理事長に登りつめ「満州の土建王」と呼ばれた榊谷仙次郎の評伝。
1910年から1947年まで一日も欠かさず綴られた榊谷仙次郎の日記をベースに書かれたもので、日露戦争後から敗戦までの榊谷仙次郎の仕事を逐一追った内容で、当初満足なインフラのなかった満州において鉄道や道路といったインフラの整備は最重要課題であり、それを支えた榊田仙次郎の仕事の履歴は同時に土木の観点からみた満州史ともいえる。
とにかく榊谷仙次郎のワーカホリックともいえる仕事ぶりに圧倒される。満州において絶大な権力を持っていた満鉄や関東軍を相手に一歩も引かず自分に信念を突き通そうとする気骨は如何にも明治人といった感じ。
資料がほとんど残されておらず、日記のない満州以前や戦後の榊谷仙次郎について記載がほぼないのは残念だが仕方が無い。
付記 本書では「榊谷仙次郎日記」の原本は国立国会図書館に収蔵されているが非公開と記されているが、2026年現在、デジタルライブラーで公開されている。
