ofellabuta

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  • 寄生生物の果てしなき進化

    著者のトゥオマス・アイヴェロはフィンランドの生態学・進化生物学者。
    タイトルは「寄生生物の果てしなき進化」となっているが、この本の寄生生物はサナダムシや回虫、ハリガネムシといった一般に寄生生物という言葉でイメージされるような寄生虫だけではなく、腸内細菌のような微生物やウィルスなども含む広義?の他の生物を生環境とする生物全般を指しており、本書の大半は最近やウィルスによる感染症とその進化についてである。

    サナダムシやハリガネムシを期待するとちょっとガッカリするかも。

    内容的には感染症一般の読み物として読みやすく面白くて良い。

    序章
     感染症とパラサイトについての進化生物学者の見解

    Ⅰ なぜ感染症があるのか
     寄生というコト
     人間の中にエコシステム
     一害あって一利あり
     艦船するかしないか(は神のみぞ知る)
     体がパラサイトから守ってくれる
     終わりなき競争
     1人では感染できない

    Ⅱ どこから感染症はやってくるのか
     パラサイトからヒトへの道のり
     パラサイトは裏切らない
     農業はすべてを変える
     感染症を運ぶクマネズミ

    Ⅲ なぜ人間はこれほど多くの感染症を持つのか
     長命で体の大きな私たち
     忙しない都市部
     都市は危険がいっぱい
     感染症は跳び移る人間にとっては永遠の石介者
     人間の行動とパラサイトの多様性

    Ⅳ なぜ危険な感染症とそうでないものがあるのか
     新たな感染症は致死率も高い
     餌をくれる手に噛みついてはいけない
     パラサイトの脱出計画
     たった1個のウイルスでも
     パラサイトは合理的
     感染症が宿主を変える
     好条件を競う

    Ⅴ いかに感染症から逃れるか
     生活水準
     命を救うワクチン
     集団免疫
     スーパー・スプレッダー
     模範例としての天然痘
     次の獲物は

    Ⅵ なぜ特定の感染症は撲滅できないのか
     動物や土壌に潜伏するパラサイト
     感染症は生まれ続ける
     インフルエンザの秋春コレクション
     毒にも慣れる
     薬剤耐性という脅威
     忍び寄る結核という殺し屋

    Ⅶ なぜ新たな感染症は次から次に生まれるのか
     分散し続ける住環境、広がり続けるパラサイトパラサイトは無賃乗車がお好き
     動物に便乗
     気候変動の影響

    Ⅶ 環境はどのように感染症拡大に影響するのか
     ペストは気候のおかげで生きている
     ジャガイモ疫病
     工業型農業は問題の巣窟
     家畜小屋から病院へ

    Ⅸ コロナウィルス大流行が世界を大混乱に陥れた
     コロナウイルスがパンデミックを引き起こした
     ウイルス拡大の抑制
     ウイルスの危険性が変わる
     弱者たちの感染流行
     パンデミックを止めることの難しさ
     感染症と持続可能性な開発

    X 人間は感染症無しに存在しうるのか
     行き過ぎた清潔さ
     ネアンデルタール人からよろしく
     次のトレンドはマイクロバイオーム
     作り込まれた細菌たち
     腸は自らを形作る
     「普通の」パラサイト群は存在しない
     ナポレアンを見つめる

    謝辞
    解説
    訳者あとがき
    各章に対する補足及び解説
    索引