ofellabuta

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  • 右園死児報告

    明治より続く、「右園死児」という名の人物・動物・無機物による異常現象に関する調査報告書というスタイルのホラー小説。

    「右園死児」(うぞのしにこ)という名称の語感や、序盤のエピソードなど面白いなと思ったが、割とそうそうに「実話怪談系ホラー」から伝奇バトル物へ。

    作者的にはモキュメンタリー的な手法で、昔の夢枕獏や菊地秀行、友成純一的な伝奇物を書きたかったのかなぁという感じ。それが巧くいってるかどうかは微妙な感じだが。

    作中で意図的に報告から時系列などは曖昧にしていることが説明されているけど、その曖昧な時系列故に明治から連綿と続く怪異というクロニクル的な側面がスポイルされてしまい、中盤以降は報告書というより伝奇物の粗筋だけ読まされているような感じになってしまうのが残念。