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  • 完全版 猪飼野少年愚連隊 奴らが哭くまえに

    著者である黄民基がまだ子供であった昭和30年代、大阪生野の在日朝鮮人密集地であった猪飼野に暮らしていた著者やその友人ら不良小学生の日々を描いたノンフィクション。

    登場する子供たちは「じゃりン子チエ」のコケザルをちょっと思い出させる。皆それぞれ多かれ少なかれ在日朝鮮人であるということに屈託を抱えているが、語り手である著者だけはそのような屈託、それどころか地域コミュニティへの帰属感すら希薄な印象を受けるのは意図したものか。東京で医者として成功したヒウォンがそれでも地域のコミュニティとの縁を絶たずにいるし、著者の姉も濃厚なコミュニティの中にいるのと対照的。

    当時の暮らしのディテールが興味深い。

    プロローグ
    昭和三十三年夏
    真田山事件
    粗暴少年グループ
    マサオと愚連隊の街
    明友会壊滅
    エピローグ

    文庫版のためのあとがき 五十年前の忘れもの