著者が2009年から2011年にかけて西日本の公立中学校で実地調査した当時の中学生たちが休み時間をどのように過ごしていたのかの調査記録。元々は著者の博士学位論文を書籍化にあたり再構成したもの。
本の中でも触れられているが、教師でない人間が長期にわたり現代の中学校で実際に生徒とともに過ごしての調査というのはかなり貴重なのではないだろうか。
調査が行われた2010年前後は時代的に携帯小説ブームのさなかで書籍化された携帯小説を読む女生徒が多かったとのことだが、自分が中学生だった80年代初頭は学校で休み時間に活字の本を読むような生徒はほとんどいなかった記憶があるので、ブームであったことを差し引いても時代の差を感じる。まったく知らなかったが90年代以降、小中学校では「朝の読書運動」なる運動が普及しており多くの学校が始業前に読書時間を設けており活字の本への忌避感は少ないのかもしれない。
大学ノートにラノベ風のリレー小説を書いているグループの話も出てくるが、2010年代でもノートに手書き?という気がしたが、スマートフォン普及以前の中学生ならそんなものか。教室でオタクな会話をすることが憚られ廊下で集まっているとのことで、2010年になってもオタク趣味がまだスクールカーストの下層であったことが判る。
