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  • Jホラーの核心: 女性、フェイク、呪いのビデオ

    80年代以降のいわゆるJホラーと呼ばれる映像作品を、「ビデオ」「家」「女性」「都市伝説」「フェイクドキュメンタリー」といった頻出するモチーフを切り口に読み解いていくという本。新書ということもあって内容的にはJホラーガイドブックといった感じで、読み応えという点では若干物足りない感じはあるものの、テレ東の大森時生や「フェイクドキュメンタリーQ」といった直近の話題作も取り上げていて、今読むガイドブックとしては他人にお勧めできる内容。

    著者の鈴木潤さんは本邦のホラー映画における女性表象について研究しているということで、その方面でもっと切り込んだ内容のものを読んでみたい。

    はじめに

    第1章 《ビデオ》
     〇なぜ「呪いのビデオ」はレンタルビデオだったのか/『邪願霊』(1988)
     〇「ビデオ」がもたらした若手の躍進/『ほんとにあった怖い話』(1991~)
     〇レンタルビデオをめぐる欲望、そして反撃/映画『リング』(1998)
     〇 「ビデオについてのビデオ」への変異/『ミステリー体験ゾーン 本当にあった怖い話』(1992/1999)
     〇定番化する「ビデオ」と「貞子」/『リング』シリーズ
     〇呪われ続けて、二十五年/『ほんとにあった!呪いのビデオ』(1999~)

    第2章 《家》
     〇ヒットの裏にひそむもの/映画『変な家』(2024)
     〇大人の知らない団地/映画『仄暗い水の底から』(2002)
     〇脱・団地化する団地ホラー/『クロユリ団地』(2013)
     〇土地に染みつく穢れ/映画『残穢-住んではいけない部屋-』(2016)
     〇主役はキャラではなく、家/『呪怨』シリーズ(2000~)

    第3章 《女性》
     〇「男性」をめぐる争い/『ミンナのウタ』『あのコはだぁれ?』(2023/2024)
     〇「映画」の恐怖の象徴としての「女性幽霊」/『女優霊』(1996)
     〇美少女の「スターイメージ」と怪物性/『死国』(1999)
     〇美しさへの執念/映画『おろち』(2008)
     〇見世物としての「顔」/『新釈四谷怪談』(1949)ほか
     〇「永遠にかわいい」ことの怖さ/映画『富江』(1999)
     〇女の子同士の「おまじない」が「呪い」になる/『劇場版 零 ゼロ』(2014)
     〇女性たちの悲劇の痕跡をたどるYouTuber/『オウマガトキFILM』(2020~)

    第4章 《都市伝説》
     〇恐怖の伝播と保存/『事故物件 恐い間取り』(2020)
     〇Jホラーの立役者たちの実験的挑戦/『学校の怪談』(1994~)
     〇異世界との接続回路としてのインターネット/『回路』(2001)
     〇「説明不可能」との邂逅/『怪談新耳袋』(2003~)
     〇ケータイがつなぐ女性の痛みと呪いの物語/『着信アリ』(2004)
     〇「因習村」の虚実/「恐怖の村」シリーズ(2020~)
     〇共同構築、複製、「魔改造」/「ネット都市伝説」三部作(2020~)

    第5章 《フェイクドキュメンタリー》
     〇「フェイクを全力で楽しむ文化」の濫觴/『放送禁止』(2003)
     〇暗澹たるノスタルジー/『TXQ FICTION』(2024~)
     〇考察との距離感/『フェイクドキュメンタリー「Q」』(2021~)
     〇「キャラクター」がもたらす暴力と快楽/『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』(2012~)
     〇新たなブームの出発点、かつ最前線/映画『近畿地方のある場所について』(2025)

    あとがき

    索引