備 考:
直野祥子が1970年代初頭に少女誌に掲載したホラー漫画を集めた文庫オリジナルの短編集。
タイトル: | 毛糸のズボン 直野祥子トラウマ少女漫画全集 |
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出版種別: | 書籍 |
作者: | 直野祥子 |
出版社: | 筑摩書房(ちくま文庫) |
発行日: | 2025-02-10 |
購入日: | 2025-02-10 |
読了日: | 2025-02-12 |
管理番号: |
直野祥子が1970年代初頭に少女誌に掲載したホラー漫画を集めた文庫オリジナルの短編集。
収録作の中では同じちくま文庫の「トラウマ文学館」(頭木弘樹編)に収録されている「はじめての家族旅行」のみ既読(これは以前、ネットでバズったこともあり直野祥子の恐怖漫画としては一番知られているものだろう)で、それ以外は今回が初めて読むものばかり。
収録作は、ストレートに呪いの恐怖を描いた「おつたさま」を除けば、「はじめての家族旅行」がそうであるように、人間の思い込みや迂闊さ、臆病さ、猜疑心などの心理が引き越す悲劇を描いた「怖い」というより心に檻が溜まるような厭な気分にさせる作品ばかり。ストレートな人間の悪意を描いたものではないというのがどうにも質が悪い。
現在だとこういう話は何らかの批評性がないと許されないだろうが、そういう批評性を持たない単に厭な話ゆえの行き場の無さに余計に気が滅入る。