ofellabuta

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  • 僕らはマンガを言葉にしたかった

    WEBサイト「コミックパーク」にて2002年6月から2011年3月まで前140回続いたコラム「マンガの発見」より、60年〜70年代について述べた回を取りまとめ加筆訂正したもの。

    夏目房之介が日本におけるマンガ評論が立ち上がりつつあった60年代から70年代を「ガロ」と「COM」を中心に当時における「マンガを語る」ことについて回想する読み物。漫画の歴史についての本は多いが、漫画評論史というのはちょっと珍しいかも。2000年代以降のマンガ評論的な視座も踏まえ、当時の漫画評論の問題点や課題も踏まえた内容で、当事者としての単なる昔話で終わっていないところが良い。もともとがWEBで連載していたコラムだったこともあり語り口も夏目房之介らしい柔らかさでサクサク読める。

    文中で村上知彦が使った「僕ら」という語への違和感を述べているにも関わらず、本書の書名が「僕らはマンガを言葉にしたかった」というのは面白い。

    はじめに

    「世代とマンガ」
    ティエリ・グルンステンと異文化理解の困難
    「ビッグコミック」創刊の頃
    「劇画」からコミックへ
    戦後マンガ読者層の分母としての若者集団
    「サンデー」「マガジン」のDNA螺旋
    「ガロ」創刊貸本的な匂いの雑誌
    「ガロ」の読者層
    「ガロ」と「語る読者」の成立
    佐々木マキと「ガロ」の読者欄
    「COM」の時代
    「COM」の読者層
    「COM」の新人育成と倒産
    「COM」と「マンガ表現論」
    「マンガは芸術か?」という問い
    メビウスX浦沢直構シンポの衝撃
    「劇画」とは何か?
    漫画・マンガから劇画、コミックスへ?
    70年代マンガ言説の断層と少女マンガ
    和田武の(メタ・コミック)モデル
    戦後世代マンガ論の功罪
    「ニューウェーブ」の発見
    マンガ史観の問題

    最期に