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  • 非凡の人 三田平凡寺

    大正から昭和初期にかけて蒐集家たちのコミュニティ「我楽多宗」を率いた奇人三田平凡寺と彼の興した「我楽多宗」についての論考集。

    近年、少し再評価されているらしい三田平凡寺。その人物像は平凡寺の娘婿であった雨田光平による評伝「明鏡止水」をはじめ、斎藤昌三や最近だと山口昌男、荒俣宏らの仕事を通じてある程度は知ることが出来るけど、三田平凡寺の奇人ぶりはともかく、「我楽多宗」での活動については正直あまりピンとこないものがあった。

    本書では評伝的な部分も押さえつつも「我楽多宗」の活動にも重きを置く内容で、当時「我楽多宗」に参加していた外国人たちを通しての神智学との関連や、柳宗悦の民藝運動との対比などいろいろ興味深い話題が多い。

    荒俣宏や平凡寺の孫である夏目房之介の云う、江戸期の趣味人の系譜としての三田平凡寺という捉え方は腑に落ちるもがある。

    順番 タイトル 著者 説明 ページ数
    1 はじめに 1
    2 三田平凡寺と「にぎやかな智識」 荒俣宏 11
    3 三田林蔵から平凡寺へ 藤野滋 53
    4 平凡寺と我楽他宗試論 夏目房之介 89
    5 絵事の特徴とその系譜 熊倉一紗 117
    6 スタールが見た平凡寺の日本 ソルター・レベッカ 145
    7 神秘と抽象 - 鈴木大拙、柳宗悦、我楽他宗 安藤礼二 173
    8 国際ネットワークとしての我楽他宗 チャプコヴァー・ヘレナ 191
    9 平凡寺からのメッセージ 安藤礼二 / 夏目房之介 / 藤野滋 / チャプコヴァー・ヘレナ 215
    10 おわりに 243
    11 関連年表 248
    12 我楽多宗 札所総覧 252
    13 参考文献 264