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推理小説(広義)における眼科学

Thu Jun 06 2024

国立国会図書館デジタルサービスを覗いていたら面白い文書を見つけた。

推理小説(広義)における眼科学 その1
推理小説(広義)における眼科学 その2
推理小説(広義)における眼科学 その3
推理小説(広義)における眼科学 その4
推理小説(広義)における眼科学 その5

「日本眼科紀要」という眼科関連の論文などを掲載する雑誌(現「眼科臨床紀要」の1981年8月の第32巻8号より、12号までの全5回に 分けて掲載された、古今東西の眼科学を題材にした怪奇小説等含む広義の推理小説についての論文? 症例毎に細かく論じられており眼科ミステリガイドとして読める。

筆者は久保省吾さんという大阪のおそらく眼科医と思われるがネットを検索しても論文がヒットするだけで詳細は不明。

論文の最初に「全編すべてこれ眼科学ともいうべき興味深い作品」と照会されている独多基九の「網膜物語」はいんなあとりっぷ社から1974年に刊行された「宝石推理小説傑作選 1」 に収録されておりこれも国立国会図書館デジタルサービスで読むことができる。

とりあげられている作品は多岐にわたるが、ちょっと気になったのが以下の作品

眼筋に手術をして人為的に眼球運動を異様なものにするという怪奇小説がある。シーベリ・クインの「The House of Horror」である。被害者の女性は狂人の外科医の手により眼筋の手術を受け,カメレオン動のようなグロテスクな眼球運動をする異様な状態にされる。との作品は全人間に対する冒の手術を加える狂人の話で、あまり後味のよいものではない。いわゆる「ドクター・モローの島」系列の作品である。

調べてみると、「呪いの家」のタイトルで翻訳が月刊ペン社のホラーアンソロジー「アンソロジー・恐怖と幻想」の2巻に収録されているとのこと。

アンソロジー・恐怖と幻想 2

って、俺、この本持ってたわ・・・・・・ 「呪いの家」については全く憶えてないが・・・・・・

ちなみに、国立国会図書館デジタルサービスでも読める。


Links

NDL : 『日本眼科紀要』32(8)(380) 日本眼科紀要会 1981-08
NDL : 『日本眼科紀要』32(9)(381) 日本眼科紀要会 1981-09
NDL : 『日本眼科紀要』32(10)(382) 日本眼科紀要会 1981-10
NDL : 『日本眼科紀要』32(11)(383) 日本眼科紀要会 1981-11
NDL : 『日本眼科紀要』32(12)(384) 日本眼科紀要会 1981-12
NDL : 『宝石推理小説傑作選』1 いんなあとりっぷ社 1974
NDL : 『アンソロジー・恐怖と幻想』第2巻 月刊ペン社 1971