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明治大正昭和 化け込み婦人記者奮闘記

Mon Jun 10 2024

「明治大正昭和 化け込み婦人記者奮闘記」平山亜佐子 左右社 2023

「明治大正昭和 化け込み婦人記者奮闘記」 平山亜佐子 左右社 2023

積んでいた本の中から引っ張り出してきてようやく読了。

明治から昭和初期、女性の社会進出とともに新聞業界にも婦人記者が登場したが、その仕事の多くは生活記事や訪問記事のような女性向け?記事ばかり。 そんな中、自身の体を張って潜入取材(当時はこれを化け込みと称したとのこと)を試みた婦人記者にスポットをあてた本。「大阪時事新報」の下山京子、「中央新聞」の中平文子、「大阪朝日新聞」の北村兼子。「読売新聞」の小川好子の四人の婦人記者を中心に当時の記事や様々な資料を丁寧な調査で彼女らの奮闘ぶりを描きだしていく。中でも中平文子は化け込み記事云々よりその人となりが著者の前著である「問題の女 本荘幽蘭伝」の主人公本荘幽蘭に勝るとも劣らない破天荒さで、その波瀾万丈としか言いようがない人生はこの本だけで終わらすのは勿体ない。一方、北村兼子はまさに才女で若くして亡くなれたのが惜しい人物。生まれてくるのも死ぬのも早かった。

後半は番外編?として、化け込み記事で潜入した様々な職業から選りすぐった読み物になっていてなかなか興味深いが、中でも「電話消毒婦」なるものが職業として成立していたとは知らなんだ。


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