「マンホール」 ジェシー・トーマス・クック 2013 カナダ
U-NEXTで2013年のカナダ映画「マンホール」(原題「SEPTIC MAN」)を観た。
カナダのとある街で浄水の汚染による感染症が発生。全住民の避難が決定される中、主人公である配管工の男が組合と呼ばれる謎の組織から原因の究明を依頼される。主人公は現在は閉鎖されている古い浄水施設に問題があると考え現地に向かうが、誤って地下の排水施設の中に閉じ込められてしまう。汚染された水の中で暮らすうちに主人公の体と精神は徐々に変容していく・・・ というワン・シチュエーション物のホラー作品。
内容的には懐かしいトロマの「悪魔の毒毒モンスター」ビギニングみたいな感じだが、脚本が状況や理由の説明を一切放棄しているため、観ている側としては何が何やらな映画だった。一応、水質汚染の原因は浄水施設に住み着いた殺人鬼兄弟が殺した被害者の死体を地下の排水施設に投棄していたためらしいのは判るが、それ以外、主人公が怪物化する理由も、主人公に調査を依頼した組合と呼ばれる謎の組織についても、主人公の妻のラストの行動の意味も、殺人鬼兄弟が実在したのか(もしかすると主人公の幻覚なのかも?)も全て投げっぱなし。
また、映像的にも基本、狭い排水施設の中で主人公が汚水でチャプチャプしながら喚いている場面が延々続くスタイルなのでかなり単調。
基本、褒めるところのない映画だが、一点、映画冒頭の本編には全く関係のない感染症に罹患した女性がゲロと下痢便をまき散らしながら死亡、下痢便が溜まった便器にクローズアップしてタイトルという流れだけは強烈なインパクトで、このシーンだけで観る者の記憶に残る映画たりえている。
「マンホール」(原題:SEPTIC MAN)
2013 カナダ
監督:ジェシー・トーマス・クック
脚本:トニー・バージェス
出演:ジェイソン・デヴィッド・ブラウン / モリー・ダンズワース / ジュリアン・リッチングス / ロバート・メイレット / ティム・バード
視聴:2024年10月26日 U-NEXTで視聴