「麻雀漫画50年史」 V林田 文学通信 2024
麻雀漫画の通史。500ページを越えるボリュームで麻雀漫画の誕生した1970年台から現代に至る麻雀漫画の歴史を作品だけなく、作者や出版社といった麻雀漫画を取り巻くその背景を含めて膨大な資料と関係者への聞き取り調査によって辿るという労作。
ジャンル別漫画の通史というと故米沢嘉博の「戦後??マンガ史」シリーズを思い出すが、麻雀漫画という「SF」や「ギャグ」「少女マンガ」などに比べれば遙かにニッチではあるけれど米沢嘉博が切り開いたジャンル漫画の通史を彼の仕事を越える精緻さで成し遂げたことは賞賛するしかないし、また今後他に出てくるであろうジャンル漫画の通史における新たな基準となるのではないかと思う。
唯一残念だったのは、僕が麻雀を全く知らず(流石に「哭きの竜」や「アカギ」や「咲-Saki-」などタイトルだけは知ってるが)この本で取り合えげられた作品をどれ一つ読んだことがないということ。解説を読むとどれも面白そうで読んで見たくはなるのだけど、どうもあの麻雀牌の絵が出てくると・・・・・・
色川武大は大好きだけど、阿佐田哲也の「麻雀放浪記」は全く読めなかったからなぁ・・・・・・