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ザ・メニュー

Fri Oct 04 2024

「ザ・メニュー」 マーク・マイロッド 2022 アメリカ

Amazon Prime Video で 2022年のアメリカ映画「ザ・メニュー」(原題:THE MENU)を観た。

孤島にある予約が取れないことで知られる超有名レストランのディナーに11名のセレブな客が招待される。その夜、イフ・ファインズ演じる天才シェフが提供するスペシャルなディナーはシェフをはじめとするレストランのスタッフ全員と客全員の死を持って完成するコース料理だったというサスペンスもの。

料理が出される度に客が一人づつ殺されていくデスゲーム物の変種かなと思って見始めたら、なかなか人が死なずホラー要素はほぼない。中盤、副シェフの突然の自殺によって状況は急遽不穏なものに変わるのだが、そこからサイコなシェフと客達との命がけの攻防を描いたサスペンス展開になるのかと思いきや、そういう方向にも進まず、何だかよく判らない展開が最後まで続くことに。不条理なブラックジョークを狙っているようにも思えるが、それが巧く機能しているとは思えない。

天才シェフが味の分からない金持ちの客やパトロンに不満を持つという動機は判り易すぎるぐらいシンプルだし、その結果、客を皆殺しにする料理を考案して実行するというアイデアも映画として悪くはないと思うが、いかんせん、そのシェフの行動が訳判ららさすぎる。途中の場面場面が悉く説明が足りないか意味が不明か回収されないままの伏線っぽい描写であり、アニャ・テイラー=ジョイ演じる実質的な主人公であるマーゴが絡むシーンのみ彼女が常識人である故にまともに場面が進むが、彼女がまともであるがゆえにステレオタイプな展開(なんだあのチーズバーガーの件は・・・)になりがちで退屈なうえに、それ以外の不条理的な展開・状況と巧く噛み合っていない。

ただ、アニャ・テイラー=ジョイは一人存在感を発揮し魅力的だった。


監督:マーク・マイロッド
脚本:セス・リース / ウィル・トレイシー
出演:レイフ・ファインズ / アニャ・テイラー=ジョイ / ニコラス・ホルト / ホン・チャウ
視聴:2024年10月03日 Amazon Prime Video で視聴


allcinema : ザ・メニュー (2022)
Amazon Prime Video : ザ・メニュー (字幕版)