「レベル・リッジ」 ジェレミー・ソルニエ 2024 アメリカ
Netflixで 2024年のアメリカ映画「レベル・リッジ」(原題:REBEL RIDGE)を観た。
黒人の元海兵隊員の主人公が従兄弟の保釈金を違法に押収されたことから、警察署ぐるみの犯罪に巻き込まれることになるサスペンス物。
監督、脚本のジェレミー・ソルニエは売れないパンクバンドがライブハウスでネオナチ軍団と戦うことになるバイオレンススリラーの「グリーンルーム」(2015 アメリカ)とか撮っている人。
序盤、些細なことから警官に暴力的な職務質問をされ有り金を違法に押収される場面や、ドン・ジョンソン演じる悪徳署長からの恫喝やイジメの場面など「ランボー」の一作目を思い出させる展開。ベースになるのは所謂「ナメてた相手が実は殺人マシンでした」系かつ「善良な黒人が悪徳な白人をやり込めるスカッとUSA」系ではあるが、主人公は徒手格闘の専門家でかつ真面な人格者であるため派手な銃撃戦はなく(主人公は非致死性のビーンバック弾や催涙弾などは使うものの実弾は一度も発砲しない)、格闘に関しても相手は田舎町の警官だから主人公になすすべもなく組み伏せられてしまうという感じでアクションに関してはかなり地味で爽快感にも欠ける。特にラストのあっさり具合とか肩透かしと感じる人もいそう。
かといってつまらないかというとそうでもなく、地味ながらも終盤までテンションは途切れることなく維持しており、そつの無い脚本と演出もあって最後まで面白く見ることができた。
本筋とは関係ない部分だが、主人公と協力者の女性(白人)が中華料理屋のオーナーが朝鮮戦争当時軍医をしていたという会話の部分で、「アメリカと共に戦ってくれてありがとう」的なことを言って周りをドン引きさせるという、中国人と韓国人の区別も付かず自国も参戦した戦争である朝鮮戦争に対する歴史的な知識すら怪しい感じな無知からくるナチュラルな差別(といって良いかは良く判らん)描写が面白かった。
監督:ジェレミー・ソルニエ
脚本:ジェレミー・ソルニエ
出演:アーロン・ピエール / ドン・ジョンソン / アナソフィア・ロブ
視聴:2024年10月10日 Netflixで視聴