「非凡の人 三田平凡寺」 チャプコヴァー・ヘレナ編 かもがわ出版 2024
かもがわ出版が2024年に出版した「非凡の人 三田平凡寺」という本。
明治から昭和初期にかけて蒐集家のコミュニティ「我楽他宗」を創設、奇人として知られた三田平凡寺に関する本だけど、内容はさておき、 パッと見、普通のソフトカバーの単行本だけど目立つ黄色のカバーを取り除くとその製本方法が少し変わったものだった。
無線綴じではなくかがり綴じを使用しているのは良いとして、ソフトカバーは表・背・裏が連なった1枚の紙を本をくるむように背の部分で接着するのが普通だけど、この本の場合、背はむき出しのまま、表紙と裏表紙を別々の紙でのり付けしている。そのため、本の背をみると綴じた糸と折りがむき出しで、代わり？にちょうど折りの部分を重ねると、トーテムポールのように連なった髑髏の絵（平凡寺は髑髏のコレクションでも知られていた）が浮かびあがるという仕掛けになっている。
本の内容は奇人として知られる平凡寺の「奇人」の部分を面白おかしく紹介する手の本ではなく、けっこう真面目な平凡寺と「我楽多宗」の活動に関する論考集なので、こういう遊びのある造本になっているのは意外。
